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【第5回】鍼灸と乳がん治療〜かかりつけ鍼灸師とのがん治療〜 [がんと鍼灸]

【人の不幸は蜜の味】(カテゴリー:人間関係)

やっとの思いで家族への告知が済んだのですが、もうひとつの問題は職場の同僚でした。
これから治療をするとなると、自分がどんな状況になるかわからないので、職場の人にも迷惑をかけるはずだと思い、きちんと伝える必要がありました。
しかし、これが後に何かと自分の中でのモヤモヤする原因に。

まさか気軽に行ったクリニックで絶望的なことを告知されるとは思ってもおらず、検査に行く日「今日、胸の検査をしてくるんだぁ」くらいのことを同僚の何人かに言っていました。当然、翌日「どうだった?」と声をかけられたわけです。
その時にはもう乳がんの疑いがあり、頭の中には絶望しかなく、何かを考える余裕もなく「乳がんらしい」と正直に何人かに報告しました。

その時の反応は今でもありありと思い出せます。
タイプはいくつか。
①「そっか。何かできることがあれば言って」と淡々と受け止めてくれた人
②「嘘でしょ?」と言って私以上に泣く人
③「え。まじで?」と言い、表情はあたかも同情めいた暗い顔を取り繕いながらも目の奥がキラリと光った人
などなど。

②と③の人物たちはのちに信じられない態度をとります。
「女」という生き物は、常に他人と自分を比べて生きているのだと思うことが多々ありました。人の不幸を見て「自分はマシ」と自分の幸せを実感できるからでしょう。
その話はまた、今後、このブログの強烈な登場人物として出演しますが、それはさておき私が教わった教訓をひとつ。

「水と宗教と健康食品に気をつけろ」

人の不幸を楽しみながら、その弱みにつけこんでくる人、という種類の人間がいるのです。私の場合は職場にいたのです。

次回に続く。


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【第4回】鍼灸と乳がん治療〜かかりつけ鍼灸師とのがん治療〜 [がんと鍼灸]

【家族への報告】(カテゴリー:人間関係)

さて。正式に「あなたは乳がんです」と告げられたわけですが、体調の心配と同時に頭に浮かんだ心配事は「家族にどう伝えるべきか?」でした。

私はひとり暮らしで地方に家族がいるのですが、心配性な両親と姉に話したら自分以上に衝撃を受けるのではないかと思うと、告知から一週間経っても何も連絡できないままでした。

しかしこんな時、何かを感じ取るものがあるのが血縁。
滅多に連絡をしてこない姉から珍しく連絡が。

「胸の検査をしたら引っかかって。再検査したんだけど不安な数日を過ごしたよ。結果的に何もなかったんだけど、こんなこともあるから、あなたも検査しておきなさいよ」とのこと。

「いやもう、こちら既にアウトですから」と思いつつ来たメールに返信し「私は悪いものが見つかりました。まだお母さんとお父さんには言っていません」と告げました。

姉は看護師ですが、毎日他人の病気や生死に近い現場にいても身内のことになると、それとこれとは別らしく、姉なりに動揺したようです。

その後、母に電話したところ冷静な対応。
さすが母は私の性格を見抜いており、自分たちが動揺することで私の負担になるとでも思ったのかあっさりと「治すしかないね」と。

電話口で涙声になっているのは気づいていましたが、家族の反応や言葉は良い意味であっさりした印象で、ありがたいことでした。

後から聞いたところ、私の知らないところで姉と両親が話をしていたようです。
看護師の姉が「今は本人が病気という事実を受け入れることだけで精一杯なんだから、本人の意思を尊重して余計なことは言わないでおこう」と。
私への対応はそれが正解でした。

しかし、病気の話を家族にするのは本当に苦痛なものです。
隠せるなら隠し通したいと思いましたが、治療の内容的にも性格的にもそれは無理でした。(手術ひとつするにしても家族の同意が必要)

両親にとって私は37歳というとっくに大人の年齢であっても子供であることに変わりなく、娘が知らないうちに病気になり、苦しんでいたと後で知ったら、その方がさらに辛いだろうと思いました。逆に自分が家族の大変な時に何も知らされなかったとしたら何とも言えない気分になるだろうなと。

ある知人は、家族に何も言わないまま、抗がん剤、手術、放射線治療を済ませたそうです。その嘘が「二年間留学するからしばらく会えない」だったそうです。

その人にはその人の事情(家族関係)があると思うので人それぞれですが、そこまでしてでも隠したくもなるのが、がんなのかもしれません。

もし今、家族への告知に悩んでいる方がいるとしたら、同居していてもしていなくても、この先家族とのコミュニケーションを取る時に自分が辛くないか、精神的に負担にならないかを考えてみてください。

私のように家族が両親と姉だけというのは簡単な方で、旦那さんや小さな子供がいる場合は私以上に複雑で悩まれるのではないかと思います。でもそれだけ味方になってくれる人がそばにいて心強くなれるかもしれません。
(※全く味方にならなかった、という話もよく聞くのも事実)

わかっているのは今の状況と、これからの治療プログラム。
私は、この先の不安や泣き言を吐露すると家族も不安になると思ったのでそれについては言いませんでした。感情的にならずにただ事実だけ伝えることに徹したので、それ以上家族も余計な不安を抱かずに済んだかなと思います。
(表情に出さないだけで、それでも随分心配していたとは思いますが)

家族への告知をクリアしたら、次は職場や友人への告白です。
これが後々何かと自分の中で波紋を呼ぶのです。

次回に続く。


青山鍼灸院HP

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【第3回】鍼灸と乳がん治療〜かかりつけ鍼灸師とのがん治療〜 [がんと鍼灸]

【病院と医師選び】(カテゴリー:病院のこと)

前回、女医によるデリカシーのない告知について書きましたが、その頃の精神状態は最悪で、ひとりの時は涙が止まらず、不安と喪失感、恐怖と絶望が混ざったような気分で過ごしました。

その後、同じ病気を患った人に何人か会いましたが、とても冷静な方や楽観的な方もいるので、がんの告知で感じることは本当に様々なようです。
これこそまさに「リアル肝試し」です。
今このように客観的にブログを書けているのは時を経たからです。
当時の私に余裕なんてものはありませんでした。

私はそんな状況でも心強い親友の助言とそこから得たありがたいご縁のおかげで、自分と相性の良い病院と医師に巡りあえました。本来なら自分で病院と医師を探さなければいけなかったところ、私はラッキーでした。

ここで病院と医師選びの見極めについて。私が感じたことと周りの話を聞いたことからまとめました。参考になればと思います。
① 医師と看護師さんの説明がしっかりしているか(納得できる説明か)
② 患者の話をきちんと聞いてくれるか
③ QOL(生活の質)を考えた治療提案をしてくれるか
④ 自分の生活圏から通院しやすいか

長く付き合うことになる病院と主治医は自分が納得できるかどうかがとても大事です。
治療が進む中でもあまりにも相性が悪く悩んだ末に転院したというケースを聞きましたが、後悔ナシ!とのことでした。

主治医に相談しても聞いてくれない、怒られる、薬を処方されるだけ、体の苦痛を訴えてもその対策を提案してもらえない、といったようであれば考え直して良いと思います。
ただでさえ病気と向き合うストレスがあるわけですから、それ以上のストレスは無くした方がいいと思います。

それと最後に、病院へ行く時のポイント。
弱っている時は大事な話を聞き逃します。悪い言葉(もしくは良い言葉)に引っかかってそれ以外のことを覚えていない、ということが多々あります。
なので、ボイスレコーダーを持参すると良いです。(スマホの中にもその機能があると思います)。もちろん、病院に付き添ってくれるご家族がいれば、一緒に話を聞いてもらうこともできるとは思いますが。
私の場合はひとりだったので、友人がボイスレコーダーを持たせてくれました。
その機転のきいた提案に感謝です。



(つづく)


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【第2回】鍼灸と乳がん治療〜かかりつけ鍼灸師とのがん治療〜 [がんと鍼灸]

【私の状況】(カテゴリー:病気のこと)

さて。
私が当時、どんな状況だったかと言うと
・ 左胸約4cmに広がる浸潤がん
・ 左脇リンパ節2箇所の浸潤がん
骨やその他の臓器への転移はなし。結果、乳がんステージ2ということでした。

胸に関しては浅く広く広がったがん。脇の方は後から自分で触って見ても確認できる、何か玉のような硬いものがありました。
正直に言うと胸のしこりは少し気になっていました。以前診てもらって「特に異常なし」と言われたこともあり、油断していた結果かもしれません。
脇の方は、今思えばなぜ気づかなかったのか、と思いますが、当時の私にはわからなかったのです。

それ以外の体調ですが、その当時、特別異常はないと思っていました。
「どこも痛くないし、何の不調もないのに、なんで乳がんになるわけ?」と思ったほどです。

先日、同じ病気を経験した方が話していたことをふと思い出しました。
その方も乳がん発覚当時、体調に異常はなく元気に過ごしていたそうですが
「今思えばその頃の私、すごく疲れやすくて、そしてトイレに行くと尿が臭かった気がする」と。

私は尿に異常はなかったのですが、同じく疲れやすく、そしてお腹の調子が悪くなることが多かった気がします。あと、何よりストレスの多い環境にいました。
それが全てではないと思いますが、免疫力が下がっていることにも気づかず(気づけない)無理をしていたのは確かでした。


【忘れもしない女医のこと】(カテゴリー:こんなこと、ありました)

健診は都内のオフィス街にある小さなクリニック。
エコーをし、触診で脇を診てもらい、その場で間違いないと告知されました。
そこで詳しく調べるために細胞診(胸と脇に針を刺し、細胞を採取して検査する)をし、後に正式に悪性だと診断されました。

余談ですが、そのクリニックの女医さんのことは忘れもしません。
「あら、あなた乳がんだわ!間違いないわっ。全身治療になるから。どこの病院にしよっか?行きたい病院ある?」と、まるでランチのお店の話でもするかのようなカジュアルな口調で告知されました。
こんなことってあるのでしょうか。

人生を左右する重大な話。頭が真っ白になっている人を目の前に
「今後の仕事とか整理した方がいいわよ。すぐ会社に言ってね。あと、あなた結婚してる?してないの?なら良かったわね。37歳?子供が欲しかったりする?でももうギリギリだからあきらめた方がいいと思うわよ〜」と。

行きたい病院を考えながら生活している人とはどのくらいいるのかわかりませんが、そのデリカシーのない女医(悪意を持ってそう呼びます)が饒舌に病院の候補を挙げている中から選択できるわけもなく、放心状態でうつむくしかありませんでした。

こんな残念な告知があるという話です。「ヤブ医者」とはこういう女医がいるようなクリニックのことを言うのかもしれません。
私は何も言い返せなかったのですが、強い気持ちのある方はもしこんな目に遭ったらぜひ言い返してください。
「先生は今、私のこの状況でそんなことを話されるのですか?」と。余談で終わってしまいましたが、次回に続く。


(つづく)


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【第1回補足】鍼灸と乳がん治療〜かかりつけ鍼灸師とのがん治療〜 [がんと鍼灸]

はじめに、のつづき

こんにちは。
連載を始めるにあたり、本当はこの回から早速、私の病状について話を進めようと思っていました。
その前に、ふと思うことがあったので前もって書いておこうと思います。

今回、私は自分の「鍼灸と乳がん治療」について書かせていただきます。
病気の話なので、慎重に扱うべきテーマだと思います。

私は自分の病気が発覚した時、病気をネタにしたメディア(雑誌の特集や、有名人の体験記、テレビでの特集、ドキュメンタリー番組など)が大嫌いでした。
病気を抱えている辛い精神状態の人からすれば恐怖以外のものはなく、時に情報が暴力的にさえ感じることがありました。

お涙ちょうだい的に感動的なものに仕立てた闘病記には怒り以外何もなく、それらの情報がリアルに役立つことはほとんどありませんでした。
病気のことは病院で主治医や看護師さんに聞けばいいし、それ以外のことはA先生に相談すればいい。だから心がざわつくようなものには触れなくて良いと思い、その手のものは遠ざけました

なので、私はどなたかの心に暴力を振るうようなコラムにしたくないと思っています。
でも、もしかしたら私のこのコラムを読んで不愉快な気持ちになる方も、中にはいらっしゃるかもしれません。人それぞれ感じることも状況も環境も違うことなので。

私は私の目線で考えたこと、思ったこと、そして何があったか、どんなことを実践したかについて綴っていきます。偏った思考が出てくることもあるかもしれません。
しかし、あくまでも私の視点であること、私の考えが正解というわけではないことなど、ご理解いただければと思います。

(つづく)


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